京友禅について
京友禅とは絹織物に友禅染という染色技法で手描き染めまたは型染めした着物をはじめとする染色品です。
京友禅は日本三大友禅の中でも最も歴史が古く、その特徴は多色使いで、絵画の世界を染め物で表現するという美しさにあり、日本の着物の代名詞とも言われています。また、積極的に刺繍や金銀箔も施すものもあり、豪華絢爛で京都の貴族や大名にも愛されていました。
京友禅は江戸時代である17世紀後半に広まりました。当時の幕府が贅沢を禁止する奢侈禁止令を発し、金紗や刺繍などの豪華な着物が禁止されたところ、禁止対象外の技法で、華やかでありながら優美な友禅染めが京都で広く知られるようになったといいます。
友禅染めの起源は手描き友禅ですが、明治時代に入ると、文明開花とともに、艶やかで色数の多い化学染料が染色にも導入され、さらに型紙によって紋様を大量に染める技法が発明されたことで、現在の型友禅として一気に普及して飛躍的な発展を遂げることになりました。
1976年には、経済産業省指定伝統工芸品に指定を受け、世界中から高い評価を得ています。
※写真提供:有限会社吉江染工場