京友禅ができるまで

京友禅は、加賀友禅や江戸友禅と並び、日本三大友禅の1つであり、友禅染という染色技法で手描き染めまたは型染めした着物をはじめとする染色品です。染色方法や紋様により製作工程は異なりますが、和デニムでは型友禅で染め上げており、和デニムで採用した紋様がどのようにして出来上がったのかを簡単にご説明します。

工程①  図案(ずあん)

京友禅のデザインを考える工程。
和デニムでは、京友禅の伝統的なデザインや華やかさを活かしながら、ジーンズと合わさった時の新しい感覚を付加するため、七宝紋をベースに和デニムレッドをワンポイントにあしらったオリジナル七宝デザインを描きました。

 

工程②  型紙彫刻

描き上げられた図案に合わせて型を彫ります。1色に1枚の型が必要になるため、使用する色の数だけ型を作る必要があります。和デニムでは4枚の型紙で染め上げています。

 

工程③  地張り

作業台となる木の一枚板に、白生地を糊で貼り付けます。柄を合わせる際にずれが生じないように、真っ直ぐに貼る技術が大切になります。

 

工程④  型置き

生地の上に型紙を置き、糊と染料を混ぜ合わせた写し糊をヘラで伸ばしながら刷り込むと、型紙の彫り抜かれた部分の生地に染料が付着していきます。型紙の数だけこれを繰り返すことで美しい模様が出来上がります。

 

工程⑤  糊伏せ

型で染色を付着させた箇所へ糊をのせます。この糊は防染の役割を果たします。 

工程⑥  引き染め

糊伏せされていない部分に刷毛で地色を染めていきます。
和デニムでは、ブラックとブルーの京友禅にこの引き染めが施されています。

工程⑦  蒸し

染料が生地に定着するように高温の蒸気を当てます。色をしっかり定着させるために、通常は100℃以上の蒸し箱の中で30分~40分蒸しますが、その日の気温や湿度に合わせ、蒸気を当てる時間や温度などの調節が必要で、この 「蒸し」の加減が友禅の色を決める大事なポイントであり、職人技の一つです。

 

工程⑧  水洗・湯のし

防染の役割の糊と不要な染料を16℃以下の水で洗い流します。
その後、湯のしと言って、生地幅を整え、小ジワをとる作業をします。

工程⑨  仕上げ加工

染め上がった生地に染めムラがないか検品し、補正し全体を整えていきます。

和デニムの京友禅では、この工程で撥水加工をすることで、デニムと一緒に洗濯した際の色移りを防いでいます。

 

 

吉江染工場

和デニムの着物生地の京友禅染めを担当。
創業60年以上に渡り、着物の製造販売を手掛けています。写し友禅、刷り込み友禅など型友禅と引染め意外にも手挿し友禅も行い、また分業制が一般的な友禅染めを全て自社内で一貫生産できる体制を持っている。*現在は仕上げの蒸し工程は外注。多彩な染めができる技術を活かし、近年では問屋さんだけでなく、一般消費者から直接「染め替え」のお仕事も請け負っています。

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